体を温めると食欲が減る?その仕組みと上手な付き合い方
「寒いとお腹が空く」
「体を温めると食欲が落ち着く気がする」
——そんな経験はありませんか?
実はこの感覚には、体温と食欲をコントロールする脳の仕組みが深く関わっています。
今回は、体を温めると食欲が減るのか? についてと、普段の生活で体温と食欲を調整するためのヒントをご紹介します。
1. 体温と食欲の関係
人間の体は、体温・代謝・ホルモン分泌・食欲など、多くの生理機能を脳の「視床下部」がコントロールしています。
視床下部には、
✔︎体温を上げたいときは食べる量を増やす
✔︎体温が十分あるときは食欲を抑える
という調整機能があります。
これは生物として自然な反応で、寒い環境では体温維持のためにエネルギーを多く必要とする一方、暖かい状態ではエネルギー消費が少なくて済むからです。
2. 体を温めると食欲が減る理由
● 理由1:代謝の必要量が減る
体がポカポカしていると、体温維持のためのエネルギー消費が減り、脳は「そんなに食べなくても大丈夫」と判断します。その結果、自然と空腹感が弱まることがあります。
● 理由2:血流が良くなると満腹中枢が働きやすい
冷えは血流を悪くし、消化機能が低下しやすくなります。体が温まると胃腸の動きが整い、満腹の信号が脳に届きやすくなるため、「食べすぎ防止」にもつながります。
● 理由3:ストレスホルモンが下がる
冷えていると体は小さなストレスを感じます。
ストレス状態では食欲が増える人も多く、体を温めることでコルチゾールが落ち着くと、“なんとなく食べたい”という欲求が減りやすいと考えられています。
3. 食欲が減る温め方と、
減らない場合の違い
体を温めれば必ず食欲が減るわけではありません。効果が出るケースと出にくいケースには特徴があります。
● 効果が出やすい人
◼︎もともと冷え性
◼︎手足だけでなく内臓も冷えやすい
◼︎ストレスや緊張で食欲が乱れがち
◼︎暖かいとリラックスしやすい
こうした人は、体温の上昇によって自律神経が整い、食欲が安定しやすくなります。
● 効果が出にくい人
◼︎もともと暑がり
◼︎運動量が多い
◼︎生理周期やホルモン変動が影響している
◼︎温まると代謝が活発になりすぎ、逆にお腹が空く
この場合、体温よりも他の要因が食欲に大きく関わっているため、温めるだけでは変化を感じにくいことがあります。
4. 日常でできる
食欲を整える温め習慣
体を温めることは、食欲を減らすだけでなく、過食の予防や胃腸の調子を整えるにも役立ちます。無理なく続けられる温め方をいくつか紹介します。
① 白湯で胃腸をゆっくり温める
朝の白湯は胃腸を優しく刺激し、満腹中枢が働きやすくなります。
② お風呂はぬるめでじっくり
38〜40℃の湯に10分程度浸かると、副交感神経が優位になり、ストレスによる食べすぎを抑える効果が期待できます。
③ 腹巻きや湯たんぽで内臓を冷やさない
内臓の冷えは食欲を乱す原因。寝るときやデスクワークで使うと、意外なほど食欲が落ち着く人もいます。
④ 適度な運動で筋肉を温める
筋肉が動くと熱が生まれやすくなり、代謝が安定。結果として食欲も整いやすくなります。
5. 温めても食欲が減らないときに考えるべきこと
ちゃんと温めているのに全然食欲が減らない…
そんな場合、以下の原因が隠れていることがあります。
● ホルモンバランスの影響
生理前や排卵後はどうしても食欲が増えます。
体温だけで調整するのは難しく、罪悪感を持つ必要もありません。
● ストレスや睡眠不足
睡眠不足やストレスは食欲を刺激するホルモン(グレリン)を増やし、満腹ホルモン(レプチン)を減らします。
● 糖質の摂り方
冷えと関係なく、血糖値の乱れが食欲の元になっていることもあります。
6. 体を温める=ダイエットになる?
体を温めることは“食欲を自然に整える一つの方法”であり、直接的なダイエット効果を保証するものではありません。しかし、
✔︎過食を防ぐ
✔︎代謝のリズムを整える
✔︎消化の負担を減らす
という点から、健康的な体づくりに役立ちます。大切なのは、「無理に食欲を減らす」のではなく、体の状態を整えた結果として食欲が落ち着くという自然な流れをつくることです。特に冷えやストレスがある方は、ぜひ、体を温める習慣を取り入れてみてくださいね。