肩こりの原因と対策
正しく理解して、すっきりケア!
「いつも肩が重い」
「デスクワークで肩がパンパン」
「マッサージしてもすぐ戻る…」
そんな肩こりの悩み、実は多くの人が抱えています。厚生労働省の国民生活基礎調査でも、女性の自覚症状の第1位、男性でも上位にランクインするほど、肩こりは現代人にとって深刻な問題となっています。
では、肩こりはなぜ起きるのでしょうか?
その原因とケア方法をご紹介します。
肩こりの正体とは?
肩こりとは、首から肩、背中にかけての筋肉、特に僧帽筋(そうぼうきん)や肩甲挙筋(けんこうきょきん)といった筋肉が硬くなり、痛みや重だるさを感じる状態のことを指します。これは単なる「疲れ」ではなく、筋肉の血流が悪化し、酸素や栄養が不足して老廃物がたまることによって引き起こされる、れっきとした「筋疲労性障害」です。
肩こりの主な原因とは?
1. 長時間の同一姿勢(デスクワーク・スマホ)
私たちの筋肉は、動かすことで血流が促進されます。ところが、長時間同じ姿勢でいると筋肉が収縮したままになり、血行が滞ってしまいます。
特にパソコン作業やスマホの使用では、頭が前に出て、肩が内巻きになる「猫背姿勢」になりやすく、僧帽筋上部の緊張が持続します。
2. 運動不足による筋力低下
肩まわりの筋肉が弱ると、日常生活の些細な動きでも過度な負担がかかり、筋肉疲労がたまりやすくなります。特に「インナーマッスル(肩甲骨周りの安定性を支える筋肉)」が弱っていると、正しい姿勢を保てず、肩こりを助長します。
3. 精神的ストレス
ストレスは交感神経を活性化させ、筋肉を緊張させます。これにより、肩の筋肉が常に力んだ状態となり、慢性的な緊張が肩こりに直結します。
また、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増えると、血流や回復力も低下します。
4. 眼精疲労・噛みしめ癖・冷えなどの影響
目の酷使(ディスプレイの見過ぎ)によって目の周囲の筋肉が緊張し、それが首や肩まで波及することがあります。また、無意識の「歯の食いしばり」や「寒さによる筋肉の収縮」も肩こりの一因です。
肩こりの正しいケアと対策
肩こりを根本から改善するためには、原因に合わせたアプローチが必要です。
1. こまめな姿勢リセット&ストレッチ
座りっぱなしを避け、1時間に1回は立って、肩甲骨をぐるぐる回す・バンザイの姿勢で肩を伸ばすなど、肩甲骨を動かすストレッチを行いましょう。ストレッチで筋肉を一時的に伸ばすことで、筋膜の癒着を防ぎ、血流改善につながります。
2. 湯船に浸かって温める
お風呂はリラクゼーションだけでなく、筋肉を内側から温めて血流を改善します。38~40℃のお湯に10~15分浸かるだけでも効果大です。
3. 軽い運動を習慣に
ウォーキングや軽い筋トレ、ヨガなどの持続的な軽運動は、筋肉の酸素供給を改善し、肩こりの予防にもつながります。
\おすすめ/
・ラジオ体操
・肩甲骨周りのチューブトレーニング
・ヨガの「猫のポーズ」や「肩回し」
4. 深呼吸と自律神経ケア
意識的に深呼吸や腹式呼吸を行うことで、副交感神経が優位になり、筋肉の緊張がやわらぎます。夜のスマホ時間を減らし、寝る前に深呼吸をするだけでも肩こり軽減に効果的です。
5. インナーケア(栄養)も大切
筋肉の修復にはたんぱく質やビタミンB群、マグネシウムなどの栄養素が不可欠。外食中心の方や偏食気味の方は、プロテインやサプリで補助するのもおすすめです。
6. 姿勢の見直し&デスク環境の改善
・椅子と机の高さを適切に
・ディスプレイの位置は目線の高さに
・骨盤を立てて座る意識を持つ
→良い姿勢をサポートするクッションやサポーターの導入も検討しましょう。
肩こりを放っておかないで
肩こりは一度のマッサージで完全に解決するものではなく、毎日の姿勢や生活習慣の積み重ねによって改善されていくものです。
肩こりが慢性化すると、頭痛やめまい、集中力低下、さらにはうつ症状など心身にさまざまな影響を及ぼすこともあります。「なんとなく不調」になる前に、できることからはじめてみましょう。