LDLコレステロールはすぐ上がる。でも下げるのは時間がかかる
こんにちは、AMUBELLEの原です。
健康診断の結果を見て「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高い」と言われたことはありませんか?
「前回は正常だったのに、なぜ急に上がったの?」「下げるにはどれくらいかかるの?」と疑問に思う方は多いかもしれません。実は、LDLコレステロールは数日から数週間で簡単に上がる一方、下げるには数か月の努力が必要です。
今回は、その理由と改善のためのポイントについてご紹介します。
LDLコレステロールはなぜ「すぐ上がる」のか
LDLコレステロールの基本的な働き
LDLコレステロールは、肝臓で合成されたコレステロールを全身の細胞へ運ぶ「運搬係」のような役割を持っています。本来は体に必要な物質ですが、血液中に過剰に存在すると血管の壁に蓄積し、動脈硬化や心筋梗塞のリスクを高めるため「悪玉」と呼ばれます。健康を守るには、LDL(悪玉)とHDL(善玉)のバランスが重要です。
食生活の乱れによる即時的な影響
LDLコレステロールは、食生活の変化に非常に敏感です。特に、以下の食品を多く摂ると、短期間で数値が上昇することが知られています。
🤦♀️バター・生クリーム・霜降り肉などの飽和脂肪酸を多く含む食品
🤦♀️マーガリンやスナック菓子に含まれるトランス脂肪酸
🤦♀️甘い飲み物・白米・パン・お菓子などの過剰な糖質
🤦♀️アルコールの摂りすぎ
これらを続けると、わずか1〜2週間でLDLが10〜20mg/dL上昇するケースもあります。
特に年末年始や旅行明けの健康診断で「急に上がった」という人が多いのは、この影響です。
体重変化やストレスが与える影響
LDLコレステロールの上昇は、食事だけでなく体重増加やストレスとも深く関係します。
体重が2〜3kg増えるだけで脂質代謝が乱れ、LDL値が上がることがあります。また、強いストレスや睡眠不足が続くと「コルチゾール」というホルモンが増加し、体が脂質を溜め込みやすくなります。その結果、短期間で血中脂質バランスが崩れやすくなってしまいます。
どのくらいの期間で上がる?下がる?
数日〜数週間での変動のしくみ
コレステロールは日々の食事と体内の合成量のバランスで決まります。肝臓は食事からの脂肪摂取量に応じてコレステロールの生産量を調整しますが、脂っこい食事を続けるとその調整が追いつかず、短期間で上昇します。つまり、「少しの油断が数値に現れる」ほど繊細な指標なのです。
下げるのに必要な期間は「最低3か月」
一方、LDLコレステロールを下げるには最低でも3か月以上の継続改善が必要です。これは、血中脂質が入れ替わるまでの周期(約120日)と関係しています。つまり、「一度上がったLDLを元に戻すには、体の仕組みが整うまで待つ必要がある」ということ。焦らず、3〜6か月単位で見直すことが効果的です。
血液検査の数値に反映されるまでのタイムラグ
食生活を変えても、血液検査の数値がすぐに下がらないのは「体が慣れるまでの時間差」があるためです。脂質代謝が安定するまでに数週間〜数か月かかるため、1か月で結果が出ないからといって落胆しないことが大切です。
LDLコレステロールを下げるための生活習慣
食事改善のポイント(油・糖質・食物繊維)
LDLコレステロールを下げるには、「摂らない」より「選ぶ」意識が大切です。
✔︎オリーブオイル・ナッツ類・アボカドなどの植物性脂肪を取り入れる
✔︎青魚(サバ・イワシ・サンマ)を週2〜3回食べてEPA・DHAを摂取
✔︎食物繊維を意識的に増やし、腸内でコレステロールの吸収を抑える
✔︎精製糖質やアルコールを控える
これらを3か月ほど継続すれば、LDL値が5〜15%下がるケースもあります。
運動の種類と頻度
運動はLDLを減らすだけでなく、HDL(善玉)を増やす効果もあります。おすすめは、1回30分のウォーキングを週3〜5回。ジョギングやサイクリング、水泳などの有酸素運動を3か月以上続けると、脂質バランスが明らかに改善します。また、エレベーターを階段に変える・一駅分歩くなど、日常に小さな運動を取り入れるのも効果的です。
睡眠・ストレス管理の重要性
睡眠不足や慢性的なストレスは、ホルモンバランスを崩し、LDLの上昇を招きます。1日7時間前後の睡眠を確保し、深呼吸やストレッチで心身をリセットすることも大切です。特に40代以降の女性は、ホルモン変化によってLDLが上がりやすくなるため、生活リズムを整えることが予防につながります。
医師が注目する
危険ラインとセルフチェック
LDLコレステロールの基準値は、140mg/dL未満が望ましいとされています。ただし、糖尿病や高血圧、喫煙などのリスク要因がある場合は、120mg/dL未満を目指すことが推奨されます。
軽度の上昇(150mg/dL前後)でも、動脈硬化が進みやすい人は要注意。定期的な血液検査を行い、「上昇傾向にあるか」「生活習慣に変化があったか」をセルフチェックしましょう。
“すぐ上がるけど、焦らず整える”が大切
LDLコレステロールは、食事やストレスの影響を受けやすく、1〜2週間で上昇することがあります。しかし、下げるには最低3か月以上の継続的な取り組みが必要です。大切なのは、「急激に下げよう」とするのではなく、食事・運動・睡眠を整えてゆるやかに改善すること。LDLコレステロールが高めの方はぜひ、焦らず続けられる習慣を身につけてみてください。