健康のための「適度な運動」とは?
「健康のために適度な運動をしましょう」とよく耳にしますが、具体的にどれくらいの運動が必要なのか、イメージしにくい方も多いのではないでしょうか?実は、世界保健機関(WHO)や厚生労働省などの指針をもとにすれば、目安がしっかりと示されています。
今回は、日常生活に取り入れやすい運動量やそのメリットについて詳しくご紹介します。
1. 運動の目安は「週150分」
WHOの推奨では、18〜64歳の成人は 1週間に合計150分以上の中強度の有酸素運動(または75分以上の高強度運動)が望ましいとされています。
これを1日あたりに換算すると、 1日30分程度のウォーキングを週5日 行うペースです。
中強度とは「少し息が弾むが会話はできる」程度の運動。代表的なのは速歩きや軽いジョギング、自転車、軽いダンスなどです。
高強度とは「息が上がり会話が難しい」レベルで、ランニングや水泳などが当てはまります。
2. 歩くメリットと効果
最も身近で取り入れやすいのが「歩くこと」です。最近の研究では、 1日8,000歩前後歩く人は、心疾患や糖尿病などの生活習慣病リスクが低下する と報告されています。特に中高年では「1日8,000歩のうち20分程度は早歩きにする」ことで、死亡リスクが約20%下がるとするデータもあります。
また、歩行は筋力維持、血流改善、ストレス軽減、睡眠の質向上など多方面に効果があり、特別な道具や場所を必要としないのが最大の魅力です。
3. 筋トレも週に2回は取り入れたい
健康維持のためには、有酸素運動だけでなく 筋肉を使う運動 も欠かせません。厚生労働省は「週2回以上の筋力トレーニング」を推奨しています。スクワットや腕立て伏せ、腹筋運動のような自重トレーニングで十分。特に下半身を鍛えることは、転倒防止や代謝維持に直結するため重要です。ジムに通わなくても、自宅で5〜10分の筋トレを週数回行うだけで効果が期待できます。
4. 柔軟運動で
けが予防とリフレッシュ
忘れがちなのが柔軟運動です。ストレッチやヨガなどは、関節の可動域を広げ、けがの予防や肩こり・腰痛の改善に役立ちます。1日5分でも、朝起きたときや入浴後に取り入れることで、体が軽くなり、リラックス効果も得られます。
5. 運動習慣で病気予防
適度な運動は、以下のような病気のリスクを減らすとされています。
◼︎心臓病・脳卒中 → 約30%リスク低下
◼︎2型糖尿病 → 約40%リスク低下
◼︎大腸がん → 約30%リスク低下
◼︎乳がん → 約20%リスク低下
また、運動は「うつ病や不安症の改善」にも有効です。運動によって分泌されるセロトニンやエンドルフィンは、気分を安定させ、ストレスを軽減してくれます。
6. 継続のコツ
「毎日30分」と聞くとハードルが高く感じるかもしれません。しかし、 10分×3回に分けて合計30分 でも同じ効果が得られます。
たとえば、
🙆♀️通勤の一部を歩く
🙆♀️エスカレーターではなく階段を使う
🙆♀️昼休みに10分散歩する
といった工夫で自然に運動量を増やせます。
「続けられる範囲で、習慣にする」ことこそが最大のポイントです。
7. 年齢別の工夫
◼︎20〜40代
体力作りやストレス解消を目的に、ジョギングや筋トレなど少し強度の高い運動を。
◼︎50〜60代
ウォーキングや水中運動など関節に負担の少ない運動を中心に。
◼︎70代以上
ストレッチや軽い筋トレで転倒予防を意識。
健康でいるための適度な運動は、難しいものではありません。
どの年代でも「無理なく続ける」ことが基本です。
「週150分の中強度運動」
「週2回の筋トレ」
「毎日の軽いストレッチ」
これらを意識するだけで、病気予防から心の健康まで、多くの恩恵を受けられます。
まずは10分、歩くことから始めてみませんか?